近年、「猫のいるオフィス」や「福祉施設で暮らす猫」等、個人の枠を超え、飼い猫としてだけではない猫達の生きる選択肢も増えてきております。
その影響もあるのでしょうが、わずかながらですが、「オフィスで飼う猫を探している」といったお問い合わせも入ってくるようになりました。
また、老人介護施設や障がいを持つ方たちの施設で慰問や譲渡会を行う、ひいては施設内への譲渡を広げていってはどうか?というご意見もいただいております。
ですが、現在アニマルエイドの猫達は、譲渡先を「一般家庭」と想定させていただいており、こういったお問合せ、ご提案は全てご辞退させていただいております。
上記のような飼育を否定するつもりはありません。
公共の施設やオフィス等で命を救われ、幸せに暮らしている猫達がたくさんいる事は素晴らしい事だと思います。
どうか最期まで穏やかに暮らしてほしいと願います。
しかし、一方で、いわゆる倒産して夜逃げした会社、閉店したお店、猫嫌いの方がいる介護施設などから、ギリギリの状態でシェルターにたどり着いた猫達も多くいます。
そのような事務所や店舗、施設のご相談を受けるたびに、猫の飼育に対する責任の所在があいまいになりがちだと感じています。
「猫の社員」などと言われていても、そこからリストラされてしまう危険もあるわけです。
その子達は退職金も、帰る家も、ハローワークもありません。
そしていつかは年を取り、病気をするかもしれない。
痩せて骨と皮ばかりの姿になっても、下のお世話が必要になっても、オフィスのアイドルとして、飼育していただけるのでしょうか?
また、複数の方が出入りする場所では、それだけ脱走の機会も増えてゆきます。
家庭での譲渡なら、全てが安心とも思っていませんし、どんな環境でも、責任もって終生飼育して下さる所が殆どでしょう。
ですが、今はまだ団体として時期尚早と考えています。
せっかく助けられた命です。
どうぞご理解をいただきたいと思います。
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